本作は74年のカンヌ国際映画祭批評家週間でワールドプレミアが行われ、大絶賛されたものの、当初、配給を行うはずだった会社が政治的報復を恐れて配給を降り、年末になってようやくワーナー映画の配給が決まり、12月20日にロサンゼルス、ウエストウッドのUAシネマで特別上映された。だが、その後、ジョンソン元大統領の政策補佐官ウォルト・ロストウが自分の出演シーンの削除と、上映差し止め要求を裁判所に提出するなど、上映を妨害する行為が相次いだ。製作サイドは再編集を拒否して裁判が行われ、翌年1月22日に最高裁が一般公開を認め、1月30日に一般公開が開始された。
1975年4月5日、アカデミー賞授賞式では、プロデューサーのバート・シュナイダーが受賞のあいさつでベトナム戦争とアメリカの良心について語り始めた時、司会を務めていたハリウッド最右翼のタカ派フランク・シナトラが「アカデミー賞に政治を持ち込むな」と抗議したが、それに対してシャーリー・マクレーンが「映画は真実を見つめて平和に貢献しなければならない」と反論し、満場の喝さいを浴びた。
日本では当時劇場公開が見送られ、1975年9月5日にNET(現テレビ朝日)が夜の11時15分から放映し大反響を巻き起こした。1987年12月16日には、HRSフナイよりVHS版ビデオが発売された(既に廃盤)。今回の上映が、日本では初の劇場公開となる。
上映用のマスターは映画科学アカデミー所蔵の35ミリ・フィルムから作成されたハイビジョン・マスターを使用し、ノーカット無修正完全版で上映される。
全米では、2001年9月11日の同時多発テロとその後のアメリカのアフガニスタンへの侵攻などを受け、本作の再評価の動きが活発化。2002年6月25日にデジタル修復版マスターを使用したクライテリオン・コレクション版DVDが発売されてベストセラーを記録。2009年2月13日には全米劇場でのリバイバル上映が開始された。
本作の題名となっている“ハーツ・アンド・マインズ”という言葉は、ジョンソン大統領が行なった演説での「(ベトナムでの)最終的な勝利は、実際に向こうで暮らしているベトナム人の意欲と気質(ハ-ツ・アンド・マインズ)にかかっているだろう」という言葉から取られている。
なお、今年(2010年)のアカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた『アメリで最も危険な男~ダニエル・エルズバーグの回想(THE MOST DANGEROUS MAN IN AMERICA)は、本作にも出演している元国防省顧問のダニエル・エルズバーグが暴露したベトナム戦争に関する機密書類“ペンタゴン・ペーパーズ”を追った作品である。











